葬儀の香典を辞退したい!連絡方法と文例は?イザという時の参考に!
2018/09/15
最近、お葬式で香典を辞退する方が増えています。
特に都市部ではかなり割合になってきているようですね。
とは言え、まだまだ香典辞退に違和感を感じる方が多いのも事実。
いざ自分が喪主の立場になったとき、香典を辞退する方向で、冷静に話を進めていけるでしょうか?
急きょ訪れた悲しみの中、あわただしく物事を決めなければならないことも多く、結局いろんな事が周りの意見に押し流されてしまいがちです。
そういった状況でも自信を持って「香典辞退」を伝えられるよう、今のうちに整理しておきましょう。
ここでは御香典を辞退するときの連絡方法、意向を伝えるための言葉や文例などをご紹介しています。
葬儀の香典を辞退したい!
全国的に広まりつつある香典辞退。特に関西方面でこの傾向が強いようですね。
やはり合理的な考えの人が多いんでしょうか。ちなみに自分も関西人です。
そもそも香典は「供養のためのお線香代」というのが名目ですが、実際には「葬儀のための費用の負担」という意味合いも含まれています。
昔はお葬式が大掛かりでしたし、近所の方が総出で手伝ったりして大変でした。
最近は自宅で葬儀を行うケースはほぼ無いので、他人の手を煩わす心苦しさを感じずにすみます。
いくらお互い様と言っても、普段付き合いのない人にまでお手伝いをお願いするのは気まずいですよね。
このように、葬儀の手間や費用に関して、相互支援という考えが必要なくなったため、お香典を受け取る事の意味合いも変わってきたようです。
香典を辞退する理由として
- 葬儀費用が抑えられるので香典をアテにする必要がない
- 参列者に負担をかけたくない
- 故人の遺志
- 会葬者との接点がない
- 香典という風習が馴染めない
など様々ですが、一番の理由は、
- 香典返しに手間をかけてくない
- 香典をいただいても今後、義理を果たせないかもしれない
というのが大きいのではないでしょうか。
気疲れしている状態の時にお返しの品を用意するのって、たしかに大変です。
しかも「頂いた金額の半返しが常識」「一律で返すのが常識」と、地域によってそれぞれ「常識」が違ったりするから厄介です。
参列してくれる方全員の出身地を把握して個別に対応するなんて事はできないですしね。
それなら最初からお香典半分でお返し不要にするか、もしくは香典は辞退したいと考えるのも、ある意味自然な流れかもしれませんね。
「香典は借金と同じ」とう話を聞いたことはないでしょうか。
つまり、親戚や知人などに不幸があると、頂いた分と同じ額を返していくという考え方なんですが、借金しなくては出来ないような葬儀を、はたして故人が望んでるかどうか。
もちろん、人それぞれ考え方は違うと思いますが、香典を辞退する方が増えてるというのは、明らかに葬儀というものに対する考え方や価値観が変わってきていることの現れです。
香典を辞退するときの連絡方法
会社への連絡はどうすればいいの?
会社に葬儀の連絡をする際、人事や総務の方に「故人の遺志により香典や供花はご辞退したいのですが」と口頭で伝えておけば社内の必要部署に通達してくれます。
もう少し小規模な会社の場合なら、社長や直属の上司、事務の方などへの直接連絡でOKなはずです。
弔問や弔電をお断りしたいときは それも付け加えておきましょう。
福利厚生の一種である「慶弔見舞金・弔慰金」は、規程によって会社から一律に出るものなので、受け取っておいてかまいません。
お返しも不要です。
ただ、急な忌引き休暇で周りに迷惑をかけてしまう事や、その間の仕事を割り振りしてもらった職場の方への感謝の気持として、出社する際に簡単な折菓子などを持っていくといいですよ。
知人への連絡はどうする?
香典を直前でお断りするのは、わざわざ準備してくれた方に対して失礼にあたります。
できるだけ葬儀の前に知らせておくようにしましょう。
葬儀日程などを電話で連絡する場合、「勝手で申し訳ないのですが、故人の遺志で御香典は辞退させてもらってます」と伝えるようにしましょう。
ハガキやFAXなどで葬儀の案内状を送る場合は、訃報連絡のあとに香典辞退の旨を伝える一文を書き添えておきます。
案内の文例はのちほどご紹介させていただきます。
案内状での通知連絡ができなかった場合は?
不幸は突如訪れるもの。実際には案内状を作成出来ない事もありますし、誰が参列してくれるかを事前にすべて把握することはできません。
そういう場合は葬儀会場で香典の辞退を伝える必要があります。
通常、香典は受付で渡しますので、受付の記帳台などに「誠に勝手ながら 故人の遺志により 御香典 御供花はご辞退申し上げます」といった内容を書いた看板を用意しておきましょう。
看板に気付かず香典を出そうとする方もいらっしゃいますので、その時は受付けの人から直接その旨を伝えるようにします。
言葉としては「申し訳ございませんが、故人の遺志により御香典は辞退させていただいてます。お気持ちだけありがたく頂戴致します。」などで大丈夫です。
親族からの香典も辞退するべき?
香典の辞退は近親者以外の参列者に対しての場合が多く、親族からの香典については受け取るのが一般的です。
親族間での香典辞退となると理解してもらえないことも多いですし、あまり頑なに断ると関係性に溝ができてしまう事もあります。
悲しみにくれる間もないほど多忙なときに、それを説得するために気疲れしてしまっては何もなりません。
親族からの香典はありがたく受け取られることをおすすめします。
ただし、受付などで受け取ってしまうと一般の会葬者を困惑させてしまうので、親族の控室などで直接受け取るのがベターです。
葬儀の案内で香典辞退を伝えるときの文例
まず、はっきりさせておくべき事として、参列者に対し香典辞退を伝えたいのか、それとも、家族葬などのため、参列そのものをお断りした上で香典も辞退するのか。
それによって用意する案内状の書き方も違ってきます。
参列者に対して香典辞退を伝えたい場合
近親者だけでなく、仕事関係の方や近所の方など、来ていただく方全員に前もって葬儀の日程を伝える必要があります。
さらに香典を辞退する場合は、参列者が準備をしなくて済むよう明確に伝えておかなければなりません。
伝え方としては電話、ハガキ、FAXなど。
その際、香典を辞退させていただく旨をハッキリと書き加えておくようにします。
父 〇〇 〇〇 儀 かねてより病気療養中のところ ◯月◯日 九十歳にて永眠致しました
ここに生前のご厚誼を深謝し 謹んでご通知申し上げます
葬儀及び告別式は下記(縦書の場合は左記)の通り執り行います
・日時:◯月◯日 午前十時から
・場所:〇〇セレモニーホール
・住所:東京都北区〇ー〇
・電話:〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇〇
尚 故人の遺志により 誠に勝手ながら御香典 御弔電 御供花などのお気遣いはご辞退申し上げます
平成二十七年◯月◯日
東京都足立区〇ー〇ー〇〇
喪主 〇〇 〇〇
※注) ハガキの場合は縦書ですが、ここでは書式の都合上、横書きにしています。
家族葬のため、参列しない方に対して香典辞退を伝えておく場合
家族葬のように身内のみで故人を弔う場合、まずは列席そのものをお断りする事を伝えなければなりません。
その上で、参列されない方に対して、香典・弔電・供花・供物をお断りする旨を明確に伝えておく必要があります。
通知方法としては電話、ハガキ、FAXなど。
家族葬のため親族のみで行うこと、香典を辞退させていただく旨をハッキリと書き加えておくようにします。
こちらは、葬儀に呼ばない人に送る通知状の例になります。
父 〇〇 〇〇 儀 かねてより病気療養中のところ ◯月◯日 九十歳にて永眠致しました
ここに生前のご厚誼を深謝し 謹んでご通知申し上げます
故人ならびに遺族の意向として 葬儀は近親者のみで家族葬を執り行います
尚 御香典や御弔電 御供物などの儀は 故人の遺志によりご辞退申し上げます
平成二十七年◯月◯日
喪主 〇〇 〇〇
香典辞退を受け入れてもらえない場合は?
香典を辞退することを理解していただけない事もありますので、事前に受付の方や葬儀社の方と しっかりとした打合をしておくことが大切です。
中には「なぜ受け取れないんだ!」と怒り出す方もいらっしゃいます。
そういった場合でも無下に押し切るのではなく、まずは「大変申し訳ありませんが、故人の希望でしたので。お気持ちだけありがたく頂戴させていただきます。」と角が立たないような言葉で、再度丁重にお断りしてみてください。これで大抵は納得してくれるはずです。
それでも「何もしないのは申し訳ない」「以前自分の身内のときにしてもらったから」などの理由でどうしても受け取ってほしいと言われる事もあります。
そのときは、相手の気持を汲んでありがたく頂いておきましょう。
貰ったり貰わなかったりでは不公平になると考えがちですが、必要以上に拒むと、お付き合いを断るという意味にも捉えられかねません。
穏便に事を済ませるために臨機応変に対応してくださいね。
香典が送られてきた場合は?
後日、現金書留や郵送・宅配などで、香典や供物が送られてくるといったケースもあります。
受け取ることが本意ではなかったとしても、送られてきたものを、返金・返品するのは失礼ですしマナー違反でもあります。
四十九日が過ぎた時点で、御礼の手紙を添えた香典返しでお返しするのがスマートです。
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香典辞退に関するまとめ
今や香典の辞退は珍しいことではなくなってきていますし、おそらくこれからどんどん増えていくと思います。
葬儀にまつわる考え方や常識・慣習などは地域によってあまりにも違いすぎるため、今や何が正解なのか分らなくなってきています。
さらに核家族化による家族構成の変化、つきあいかたの変化、葬儀に対する価値観など、色んな事が昔とは違ってきています。
香典を辞退したいと考えるのも、時代の流れなのかもしれませんね。
ただ、考え方は人それぞれなので、故人を弔ってくれる方の気持ちへの配慮は大切にしたいですね。