タクシーの相乗りで割り勘にするときの料金計算方法。公平なのは?
2019/12/28
終電がなくなり、みんなでタクシーを相乗りして帰ることってありますよね。
そんなとき、ついつい料金を適当に割り勘にしてませんか?
わかります。計算するの面倒くさいですもんね。
酔ってたりしたらなおさらです。
でもあとで冷静に考えると、
「一人でタクシー乗ったほうが得だったかも・・・」
なんて事も。
ここではタクシーに相乗りしたときの、不公平にならない料金の支払方法やお金の計算の仕方をご紹介します。
タクシーを相乗りしたときの割り勘
タクシーは運転手を除いけば4人まで乗車できます。行き先が同じ方向なら相乗りすれば安く済んでお得。
気心の知れた友人となら「お金、このくらいでいいかな?」とか、「今日は出しとくから今度メシでもおごれよ」とか言えますが、それほど親しくない人との場合は相手に損をさせないよう気を遣ってしましますよね。
そんな時、正しい割り勘を知っておけば安心です。
本来「割り勘=均等払い」という意味なのですがが、ここで言う「割り勘」は「それぞれ適正な金額の支払い」という意味で進めていきます。
また、厳密に言えば、タクシーを降りるのが後の人ほど余計な遠回りや停車のための時間などが加算されてしまうわけですが、そこまで含めて計算するのは困難なので、その辺りは無視します。
いくつか計算方法がありますので順番にみていきましょう。
タクシーを相乗りしたときの料金計算方法
Aさん・Bさん・Cさんの3人がタクシーを利用した場合を例にとってみましょう。
計算しやすいよう、500m=500円と仮定します。
まずは 良くある割り勘のパターン
・Aさんの自宅まで1km
・Bさんの自宅まで2km
・Cさんの自宅まで3km
3人がそれぞれ別々のタクシーで帰宅した場合、
- 出発→→Aさん(1,000円)
- 出発→→→→Bさん(2,000円)
- 出発→→→→→→Cさん(3,000円)
となります。
でも相乗りすれば、3人で3,000円ですみますよね。
これを均等割りにして、あとから1人1,000円支払ったとすると、
本来かかる金額ー割り勘金額=お得金額
- Aさん=1,000円ー1,000円=0円(何も得ではない)
- Bさん=2,000円ー1,000円=1,000円(まあまあ得)
- Cさん=3,000円ー1,000円=2,000円(めっちゃ得)
となります。あまり公平とは言えませんね。
・Aさんの自宅まで500m
・Bさんの自宅まで1km
・Cさんの自宅まで3km
3人がそれぞれ別々のタクシーで帰宅した場合、
- 出発→Aさん(500円)
- 出発→→Bさん(1,000円)
- 出発→→→→→→Cさん(3,000円)
となります。
でも相乗りすれば、3人で3,000円ですみます。
これを後から均等割りにして、1人1,000円支払ったとすると、
本来かかる金額ー割り勘金額=お得金額
- Aさん=500円ー1,000円=ー500円(もはや損)
- Bさん=1,000円ー1,000円=0円(何も得ではない)
- Cさん=3,000円ー1,000円=2,000円(めっちゃ得)
本来初乗り料金程度で帰れるはずのAさんにとっては かえって損になってしまいます。
(※2017年1月30日から、東京の初乗りが380~410円になりました。)
これなら一人で帰ったほうが安いし、気を遣わなくてすみますよね。
逆にCさんは本来3,000円かかるところが1,000円で済んでしまいます。
もし自分がCさんで、翌日お金を精算するときに「ワリカンで1人1,000円ね」とはとても言えません。
タクシーの相乗りは、一人で利用するときよりも安い金額で済むという事が最大のメリット。
後から不満が出ないよう、全員が同じだけお得になるにはどうすればいいのでしょう?
2種類の計算方法があるので順番に見て行きましょう。
お得になる「率」を同じにした計算方法
先ほど3で割った「1人1,000円」は不公平感がありました。
次は全員が相乗りの恩恵を受けられるよう計算してみます。
先ほどと同様、ケース1とケース2で見てみましょう。
・Aさんの自宅まで1km
・Bさんの自宅まで2km
・Cさんの自宅まで3km
3人がそれぞれ別々のタクシーで帰宅した場合、
- 出発→→Aさん(1,000円)
- 出発→→→→Bさん(2,000円)
- 出発→→→→→→Cさん(3,000円)
相乗りすれば、3人で3,000円。ここまでは先ほどと同じ。
ここで、本来かかる金額にお得指数「a」を掛けて合計3,000円になるようにします。
1,000円✕a+2,000円✕a+3,000円✕a=3,000円
6,000円a=3,000円
a=0.5(50%)
全員が50%お得になるように計算すると、
- Aさん:1,000円✕0.5=500円支払い(500円お得)
- Bさん:2,000円✕0.5=1,000円支払い(1,000円お得)
- Cさん:3,000円✕0.5=1,500円支払い(1,500円お得)
・Aさんの自宅まで500m
・Bさんの自宅まで1km
・Cさんの自宅まで3km
3人がそれぞれ別々のタクシーで帰宅した場合、
- 出発→Aさん(500円)
- 出発→→Bさん(1,000円)
- 出発→→→→→→Cさん(3,000円)
相乗りすれば、3人で3,000円。
ケース1と同様、本来かかる金額にお得指数「a」を掛けて合計3,000円になるようにします。
500円✕a+1,000円✕a+3,000円✕a=3,000円
4,500円a=3,000円
a=0.6666…(67%)
全員が約67%お得になるように計算すると、
- Aさん:500円✕0.6666…=333円(167円お得)
- Bさん:1,000円✕0.6666…=667円(333円お得)
- Cさん:3,000円✕0.6666…=2,000円(1,000円お得)
これで全員が同じくらいのお得度になりますね。メデタシメデタシ。
・・・といいたいところなんですが、
同じ割引率ということで一見公平そうに見えますが、厳密に言えば少し違います。
例えば、Bさんが降りた後の区間については、Cさんが一人で乗車してるにもかかわらず、その部分を他の二人にも負担してもらっていることになります。
また、この方法だと最終の料金がわかるまで計算ができないのが難点。
ではどうすればいいのでしょう?
距離と人数よる計算
ここで本来の「割り勘」の出番です。
各区間ごとに、そのときいた人数でその都度割り勘にします。
- 出発点からAさんが降りるまでの区間
3人で利用しているのでA・B・Cの3人で割り勘
- Aさんが降りてからBさんが降りるまでの区間
2人で利用しているのでB・Cの2人で割り勘
- Bさんが降りてからCさんが降りるまでの区間
1人で利用しているのでCが1人で支払う
これをケース1とケース2に当てはめて計算してみましょう。
・Aさんの自宅まで1km
・Bさんの自宅まで2km
・Cさんの自宅まで3km
3人がそれぞれ別々のタクシーで帰宅した場合、
- 出発→→Aさん(1,000円)
- 出発→→→→Bさん(2,000円)
- 出発→→→→→→Cさん(3,000円)
相乗りすれば、3人で3,000円。
その都度割り勘にすると、
- Aさん:1,000円÷3人=333円支払い(667円お得)
- Bさん:(2,000円ー333円)÷2人=834円支払い(1,166円お得)
- Cさん:3,000円ー333円ー834円=1,833円支払い(1,167円お得)
・Aさんの自宅まで500m
・Bさんの自宅まで1km
・Cさんの自宅まで3km
3人がそれぞれ別々のタクシーで帰宅した場合、
- 出発→Aさん(500円)
- 出発→→Bさん(1,000円)
- 出発→→→→→→Cさん(3,000円)
相乗りすれば、3人で3,000円。
その都度割り勘にすると、
- Aさん:500円÷3人=167円支払い(333円お得)
- Bさん:(1,000円ー167円)÷2人=417円支払い(583円お得)
- Cさん:3,000円ー167円ー417円=2,416円支払い(584円お得)
近場の2人より、遠くに帰るCさんの負担が大きくなっていますね。
これは至って当然の結果で、Cさんの目的地が遠ければ遠いほどCさんは多く支払う必要があります。
まあ、Aさんも167円だけ置いて降りるなんてことはできないとは思いますが。。。
繰り返しになりますが、実際には遠回りの可能性や乗降時の停車時間などがあるので、厳密には公平とはいえないです。
でもこの計算方法なら最終的な金額がわからなくても、その場その場で支払うことができますし、計算も比較的簡単。
具体的には、先に降りる人が一番最後に降りる人に 自分の支払い分のお金を預けるようにすればスムーズです。
タクシー料金を割り勘する時の支払い方法:まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は3人のときを例にしましたが、2人でも4人でも同じ計算になります。
もちろん、大のオトナが何十円単位で計算するのもどうかとは思います。
実際にはここまで細かくすることはないでしょうし、他の人に損をさせないようチョット多めに払うのがスマートというものです。
でもこれが、たまの飲み会後の話ではなく、定期的に行われる集会などで毎回同じパターンが繰り返されるとなるとそうも言ってられませんよね。
ちりも積もれば、お金も不満も山となります。
状況に合わせて臨機応変な対応が必要だとは思いますが、この計算の仕方を知っておいて損はないですよ。