仕事始めと仕事初めはどちらが正解?違いと使い分け。公用文では?
2019/11/29
「仕事始め」と「仕事初め」・・・
始めと初め difference・・・
Why Japanese People〜!?
違いと使い分けがワカラナイヨ!
ん? 解らない? 分からない? 判らない?
・・・
マスマスワカラナイヨ!!
仕事始めと仕事初めはどちらが正解?
仕事の挨拶文で「来年の仕事始めは・・」と書こうとして、ふと手が止まった。
「仕事始め」?「仕事初め」? ん?どちらが正解?
パソコンでGoogleやYahooの検索窓に「しごとはじめ」と入れると
・・・どちらも出てきますね。
スマホでも試してみると、
1.仕事始め
2.仕事はじめ
3.仕事初め
と、こちらも同じく予測変換では両方とも出てきます。
自分の中では「仕事始め」だと思い込んでいたけど、なんとなく気持ち悪いので念のため調べてみました。
結論。「仕事始め」が正解。
しかし! ここでさらなる疑問が発覚。
しごとはじめ【仕事始め】
新年になって初めて仕事をすること
出典|大辞林 第三版
ちょっとー、なんかおかしくないですか?
この意味を漢字にするなら「仕事初め」が正解なのでは?
始めと初めの違いと使い分けって?
始め=START
何か物事をはじめるとき(Start)
たとえば
「ピアノを習い始めた」「ダイエットを始めた」「そろそろ勉強始めないと」
初め=FIRST
何か物事がはじめてのとき(First)
たとえば
「結婚して初めてのお正月」「会社に入って初めてのお給料」「初めてのおつかい」
主な使い分けとしてはこういったところでしょう。
ではなぜ「新年になって初めて仕事をすること」が仕事始めなんでしょう。
はい、それでは説明いたしますね。
この「はじめ」は、「初めて仕事を」ではなく「仕事を始め」るの方です。
つまり、初めて仕事を始める、という事です。
最初から「新年になって初めて仕事を始めること」と書いておいてほしいものですね。
じゃあ何で「仕事初め」を使う人がいるのか?
「仕事始め」が正解なのにもかかわらず、なんで「仕事初め」を使う人がいるのか?
実際にパソコンやスマホの予測変換で出てくるんだから、間違いじゃないんじゃないの?って思いますよね。
でもこれは単なる漢字の変換ミス。つまりPCやスマホに入ってる漢字ソフトの問題かなと。
これでも最近はだいぶ賢くなってきたと思うんですが、昔のMacの漢字変換とか、そりゃーヒドかったんです。
「仕事恥め」とかだと明らかに間違いだと気付くんですが、ビミョーにそれらしいもんだから疑うことなく使っちゃうんでしょうね。
御用始めと仕事始めの違いは?
似たようなので「御用始め」って言葉がありますよね。
じゃあ「仕事始め」と「御用始め」の違いは何?ってことになるんですが、御用始めというのは簡単に言うと、官公庁での仕事始めのことなんですね。
官公庁は12月29日から1月3日までお休みなので、土日が重ならなければ12月28日が「官庁御用納め」で1月4日が「官庁御用始め」となります。
つまり一般の人は「仕事始め」だけど、役人だと「御用始め」を使うってだけの話で、意味合いとしては全く同じ。
ちなみに「御用」って言うのは元々は宮中や幕府・政府などの仕事を指す言葉で、時代劇に出てくる「御用だ御用だ!」も同じ。
お上から言いつかった仕事って意味ですね。
「御用始め」や「御用納め」は今でも実際に使われているんですが、いかにも役人っぽくて堅苦しいし古臭いって理由から、テレビやラジオの放送では「仕事始め」「御用始め」に置き換えられることも多いみたいです。
大発会ってのもある
あともう一つ似たような言葉で「大発会」「大納会」って言うのもありますが、これは証券取引所などで使う「仕事始め」「仕事納め」の事。
禁中取引所の場合、土日が重ならなければ12月30日が「大納会」で1月4日が「大発会」となります。
「納会」なんかは一般企業でもよく使われてますが、こうして見てみると言い方っていろいろあるんですね。
始めと初めは公用文ではどう使い分ける?
基本的な使い方としては上記のとおりですが、どちらとも判断しづらいケースもあります。
「~をはじめ」というときは、どちらが正解なのか? 例えば、
「社長をはじめ、全社員一丸となって・・・」とか
「当社の事業は建築工事をはじめ、住宅のリフォーム、店舗の設計など・・・」とかの場合ですね。
気になりますよね。公用文ではどうなっているのでしょう?
[文化庁の公用文書き方の基準資料にもとづいた公用文における漢字使用等の具体的な取扱い方針による取り決め]によると、
(長いですね。。。)
~を始め(~をはじめ)
(※括弧内は非推奨)とあります。
(ちなみに、ここで使われている「~」の入るのは、常識的に考えて”ピアノ”や”ダイエット”ではありませんので。)
ということは、少なくとも「初め」ではないわけです。
そして、ひらがなの「はじめ」は推奨しません、漢字の「始め」を使うようにしましょう、ということですね。
ただ、実際には公用文でも「はじめ」と表記されている事がほとんどではないかと思われます。
だって、どっちにしても間違ってる感じがしますもんね。
まとめ
えーまとめますと、
○仕事始め=正解
×仕事初め=誤り
■「仕事始め」の意味=新年になって初めて仕事を始めること
■「仕事納め」の意味=年内最後の仕事
■「御用始め」=官公庁の仕事始めのこと
■「御用納め」=官公庁の仕事納めのこと
■「大発会」=証券取引所の仕事始めのこと
■「大納会」=証券取引所の仕事納めのこと
■公用文の取り決めでは「社長をはじめ全社一丸となって・・・」の「はじめ」は ひらがなではなく漢字の「始め」を推奨。
(ちょっと変な感じもするけど、そう言うことらしい)
いやー、それにしても漢字ってのは難しいですよね。変換ミスってのもありますけど、漢字自体は間違ってないですもんね。
あらためて考えてみると他にもいろいろありました。
「規程」と「規定」、「他」と「外」、「附属」と「付属」、「意志」と「意思」
などなど。
まだまだややこしいのがいっぱいですね。
カンジトニホンゴヤヤコシイヨ!
Why Japanese People!?
(ちょっ古かった?)