カブトムシのさなぎが土の上に!人工蛹室の簡単な作り方
2016/10/22
カブトムシの幼虫を飼育していて、ある日気がつくと土の上でさなぎになっていた、ということがあります。
このままの状態では、殻から出てくる際に羽化不全になってしまう可能性がありますので、人工蛹室を作って引越しさせてあげましょう。
ここでは、カブトムシの幼虫が土の上でさなぎになる理由と人工蛹室の簡単な作り方についてご紹介しています。
カブトムシのさなぎが土の上に!
「カブトムシの幼虫が、土の上でさなぎになってる〜!」
通常なら土の中でさなぎになって、羽化の時期をじっと待つ、というのが本来の姿なのですが、まれに土の上でさなぎになってしまうものがいます。
あまり良い事ではありませんが、飼育しているとたまにあることなんです。
カブトムシの幼虫が土の上で蛹になるのはなぜ?
これには色々な理由が考えられます。
一つは飼育している容器の大きさに対して、幼虫の数が多かった事が原因かもしれません。
同じ容器で幼虫を数匹飼っていると、幼虫同士、一定以上の間隔を開けて蛹室を作ります。
不思議なんですが、決して他の蛹室を壊したり、ギリギリ隣に作ったりということはあまりありません。
なので先に他の幼虫が蛹室をつくり、自分のスペースが確保できないと判断するとマットの上で蛹になるんですね。
あと、マットが柔らかすぎた、もしくはマットの水分が少なすぎたということも考えられます。
ある程度の湿り気があり、押し固められた状態でないと、蛹室を作ってもすぐに壊れてしまいます。
上手に蛹室を作らせるには、マットを手で握って団子状に固まる程度に水を含ませ、容器の底20センチくらいを手で突き固めておくのがベターです。
また、蛹になる目的以外で、幼虫がマットの上に出てきてしまうことがあります。
これにはまた別の原因が考えられますので、適切な対処をしてあげてくださいね。
土の上でさなぎになった場合はどうすればいい?
このままの状態にしておくと、羽化不全になる可能性が非常に高いため、人口の蛹室に移してやる必要があります。
とは言え、とりあえず無事に蛹になったのであれば、それほど心配する必要はありませんよ。
蛹になりたてのときはまだ表面がしっかりと固まっていない状態なので、このタイミングで下手に触ると蛹を痛めてしまいます。
1週間もすれば殻がしっかりしてきますので、それまではそのままにしておきましょう。
蛹でいる期間は約3~4週間ありますので、焦らなくても大丈夫。
羽化する前までに、人口の蛹室に移してやれば問題ありませんので安心してください。
カブトムシの蛹 人工蛹室の作り方
人工蛹室の作り方はいろいろありますが、極端な話、さなぎが収まる縦型のスペースを用意してあげれば大丈夫です。
さなぎ自体はエサも必要ないですし、水分も必要ありません。
とはいえ、あまり固い容器だと蛹にとってもあまり居心地が良くないでしょうし、内側がツルツルだと、羽化したときに足の爪が引っかけられずにうまく殻から出ることができません。
以下、おすすめの蛹室の作り方を紹介しておきます。
人工蛹室をオアシスでつくる
オアシスってご存知でしょうか?
園芸で使う給水用のスポンジ、あのグリーン色のやつです。
そのオアシスに穴を掘って蛹室にします。
まずはスプーンを使って縦長の穴を掘っていきます。
底が貫通してしまわないよう注意しながら、完成予想よりも小さめに掘ってください。
穴が掘れたら穴の表面に水を含ませ、指の腹やスプーンを使って表面のデコボコを無くすよう、押さえながら形を整えます。
穴の大きさは、その蛹のサイズより一回り大きいくらいがベストです。
人工蛹室をトイレットペーパーの芯でつくる
これも一般的によく知られている方法です。
トイレットペーパーの芯を使うやり方はいくつかあります。
パターン1
飼育ケースかタッパーに昆虫マットを入れ、そこにトイレットペーパーの芯を突き立てます。
芯の底部分と周りのマットを手で固く押し固めて倒れないようにすれば完成です。
パターン2
トイレットペーパーの芯の穴の片側をふさぐよう、外側からガムテープを貼ります。
折り重ねたキッチンペーパーを芯の内側から押し込み、ガムテープの面に合せて底を作ります。
完成した筒は別の容器に入れておきましょう。
立てかけておくだけでは不安定なので、倒れないように容器と固定しておいてくださいね。
トイレットペーパーの芯の内側はツルツルしているので、内側にキッチンペーパーを貼るか、もしくは芯の内側の紙を一枚目めくっておきましょう。
マットを湿らせて人口蛹室をつくる
一番自然に近い状態です。
まずは飼育ケースを用意します。ペットボトルを半分にカットしたものやコップなどでも大丈夫です。
ただし、あまり柔らかいものだと、持った拍子に容器自体を凹ませてしまい蛹室を壊してしまうこともあるので注意してください。
容器に湿らせた昆虫マットを入れて突き固めます。
中央に指で穴を掘り、さらに濡らした指で内側表面を再度仕上げていきます。
天井は空いていても問題ありません。簡単に崩れたりしない程度の縦穴が作れたら完成です。
注意さなぎを人工蛹室に移す際はそっと手ですくうように持ちましょう。
触るとオシリをクネクネさせますので、びっくりして落とさないように注意してくださいね。
直接手で触っても大丈夫なものかと心配される方もいるかもしれませんが、自分の経験上、まったく問題ありません。
多少さわったり動かしたりしたくらいで どうこうなったりしませんので、それほど神経質になる必要はありませんよ。
ただ、殻を傷つけたり衝撃を与えたりしないようにだけ注意してくださいね。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、幼虫が土の上でさなぎになった場合の対処法についてお伝えしました。
初めての飼育だと わからないことも多く、心配になりますよね。
でも、人工蛹室に移してあげれば大丈夫です。
きっと元気な成虫のカブトムシになってくれますよ。